社会活動

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日本免疫治療学会理事長中面哲也が当学会の後援により、ペプチドワクチンの臨床試験に参加したお子さん、ご家族、医師の同窓会を開催しました

中面らが開発したグリピカン3ペプチドワクチンによる臨床試験は2007年に開始されました。その後、2011年から難治性小児がんを患ったお子さんたちを対象とした臨床試験が始まり、2016年まで投与がおこなわれました。参加した18名のお子さんのうち、7名は再発することなく現在も元気に過ごしておられます。このたび、お子さんとご家族、担当した医師の同窓会「あれから10年を祝う会~グリピカン3ペプチドワクチンを投与された未来あるお子さんたちへ 今こそ「おめでとう」を伝えたい」が2024年8月25日(日)に開催され、日本免疫治療学会が後援いたしました。

10年前、難治性小児がんを患ったお子さんたちとご家族のみなさんは、治らないんじゃないかという恐怖の中、過酷な治療を受けてこられ、もう再発してほしくないという、藁にもすがる思いで、中面らが開発したグリピカン3ペプチドワクチンの臨床試験にたどり着き、2週間に1回、何十回ものわきの下への注射を、毎回痛みに耐えながら打たれました。今回、やむを得ない事情で参加が叶わなかったご家族もいらっしゃいましたが、当日は3家族と4名の医師が集まり、つらかった当時を時折思い出しながらも、あれから10年たってみんな元気でそれぞれ頑張っていることを喜び、みんなでお祝いし、そして、大いに楽しんで親睦を深めることができました。

同窓会「あれから10年を祝う会~グリピカン3ペプチドワクチンを投与された未来あるお子さんたちへ 今こそ「おめでとう」を伝えたい」

終了後、参加されたお母様方から、心温まるメールをいただきました。お子さんたちにとっても、親御さんたちにとっても、同じ病気と闘った同士と出会える機会は貴重だったようです。今回参加できなかったご家族からも、次はぜひ参加したいと言われております。

一方で、このように治った患者さんたちが確かにいらっしゃるにも関わらず、「グリピカン3ペプチドワクチン」は使える薬になっていないという現実が突きつけられました。中面にとって、改めて研究開発の必要性、力不足を痛感させられ、次こそは、小児がんのお子さんやご家族を救えるがんワクチンやT細胞療法を開発し、真に社会に貢献したい、という意を強くさせられた会でもありました。

今から次の同窓会が待ち遠しいですが、次回はうれしいニュースとともに全家族がそろって会えることを期待したいと思います。