平成26年5月20日
一般社団法人 日本免疫治療学研究会
理事長 安元公正
JRAIレギュラトリーサイエンス委員会が作成した
「がん免疫細胞療法用臨床試験ガイダンス」を公表いたしました。
昨年4月の 「再生医療推進法」の成立、11月の「再生医療等の安全性の確保に関する法律案」及び「薬事法の一部を改正する法律案」の成立など、日本における再生・細胞医療を取り巻く環境は大きく変化しています。
このような中、再生・細胞医療の一つであるがん免疫細胞療法は、患者さんの自家免疫細胞を用いることから化学療法や放射線療法など他の療法と作用機序が異なり、それらとの併用も可能であるためその普及が期待されています。
一方、がん免疫細胞療法が普及するためには臨床試験の活性化が求められますが、二重盲検など一般的な臨床試験デザインが必ずしも適切ではない場合があります。このような場合を考慮した上で、培養工程にとどまらず、培養成果である細胞が担がん患者に対し安全かつ有効であるか否かに関し、高い信頼性をもって評価できる臨床試験の実施が不可欠です。しかしながら、現在、日本においてがん免疫細胞療法の臨床試験を実施するにあたり、具体的な指針等がなく、各研究者が試行錯誤を重ねながら行っている状況にあります。
このような現状を踏まえ、一般社団法人日本免疫治療学研究会は「レギュラトリーサイエンス委員会」を設置し、がん免疫細胞療法の臨床試験を円滑に実施する上で必要となる指針を作成すべく、米国FDAの細胞療法関連ガイダンス、日本バイオセラピィ学会のがん治療用ペプチドワクチンガイダンスを参考に検討を進めてまいりました。
今般、その検討結果を「がん免疫細胞療法用臨床試験ガイダンス」として、ここに公開させていただきます。
会員の皆様にはご高覧いただき、ご意見等がございましたら事務局宛に6月30日(月)迄にご連絡を頂けます様御願い申し上げます。
(「がん免疫細胞療法用臨床試験ガイダンス」はこちらをご参照ください)
http://jrai.gr.jp/wp22/wp-content/uploads/2014/05/GuidanceV1.pdf
【JRAI レギュラトリーサイエンス委員会】
委員長 谷 憲三朗 九州大学生体防御医学研究所 ゲノム病態学研究分野 教授
委 員 阿曽沼元博 順天堂大学 客員教授
垣見 和宏 東京大学医学部附属病院22世紀医療センター
免疫細胞治療学講座 特任准教授
鈴木 弘行 福島県立医科大学 呼吸器外科/臓器再生外科学講座 教授
北野 滋久 国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター中央病院
先端医療科 / 免疫療法開発分野(併任)
中面 哲也 国立がん研究センター 早期・探索臨床研究センター
免疫療法開発分野長
長村 文孝 東京大学医科学研究所 先端医療開発推進分野 教授
山口 佳之 川崎医科大学 臨床腫瘍学 教授
山中 竹春 国立がん研究センター 生物統計部門 部門長
(氏名は五十音順 敬称略)
本件に関するお問い合わせは、下記メールアドレスにお願いいたします。
E-mail:info@jrai.gr.jp