学会案内

理事長挨拶

2025年10月
一般社団法人 日本免疫治療学会
理事長 中面 哲也
(国立がん研究センター分野長)

 

一般社団法人 日本免疫治療学会 理事長 中面哲也

2018年の本庶佑先生に続き、2025年には坂口志文先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されました。坂口先生の研究が示す通り、今後は制御性T細胞(Treg)を標的とした自己免疫疾患やがんの新たな治療法の開発が、ますます期待されています。免疫チェックポイント阻害剤の登場によって、免疫療法は標準治療として定着し、進行がんにおいても高い治療効果を発揮しています。しかし、すべての患者に効果があるわけではなく、今後は効かない患者への対応が重要な課題となっています。その中で、再び免疫治療に注目が集まり、日本免疫治療学会としてもこの絶好の機会を生かし、さらなる学問の発展に努めてまいります。

がんを攻撃するT細胞の働きを調整する技術が進化することで、これまで成功が難しかったがんワクチン療法やCAR/TCR-T細胞療法などの新たな治療法にも大きな可能性が広がっています。これはがんだけでなく、自己免疫疾患への治療にも大きく貢献できると考えております。今こそ、私たちが新しい免疫治療の開発に挑み、多くの患者さんに希望と喜びを届けるために力を合わせていく時です。

2025年5月24日には、昨年に続き福島にて鈴木義行会長のもと「協調~免疫を軸に、共に前進~」をテーマに学術集会を開催し、大いに盛り上がりました。来年は6月20日に京都大学で、金子新会長のもと「Immunotherapy: Covering the World」をテーマとして開催されます。京都の地で皆さまと再会し、免疫治療学の最先端の進歩を共有できる日を心より楽しみにしております。