本研究会は、がんやその他の難治性疾患に対する治療法として、免疫細胞療法を中心とする免疫療法の健全な育成と普及を目的として故・江川会長が発足させ、2003年に第1回学術集会が開催されました。その後回数を重ねるごとに発展し、この度第7回の本学術集会の会長を拝命致しました。大変光栄に存じます。
これまでのがん免疫療法の歩みとその問題点、さらに今後の展望を見据えて本学術集会のテーマは「免疫療法の標準化と今後の可能性」といたしました。
免疫療法の効果判定については、化学療法や放射線療法の効果判定基準と同じにすべきなのか、あるいは免疫療法独自の効果判定基準を持つべきか、などについて議論することは今後の免疫療法の発展にとって必要不可欠な内容だと考えます。そこでシンポジウムは『免疫療法の効果判定』とし、活発な議論をしていただきたいと思います。
ワークショップは『免疫細胞療法の可能性』とし、新たな知見を拝聴できることを期待しております。
教育講演として最近各分野で活躍中の先生方にお願いし、もっともホットな話題を取り上げました。中面哲也先生(国立がんセンター東病院)に「GPC3ペプチドワクチン療法」、大段秀樹先生(広島大学大学院)に「肝癌症例に対する移植後の肝NK療法細胞移入療法」、石田高司先生(名古屋市立大学大学院)に「抗CCR4抗体によるT細胞腫瘍治療」についてご講演いただきます。
特別講演には多数の論文に引用され、TLRファミリーの大部分を発見し、その機能を解明され平成21年度文化功労者である審良静男先生(大阪大学WPI免疫学フロンティア研究センター)をお招きしております。
会員の皆様はもとより、がん医療・がん研究に携わる多くの方々に興味を持っていただけるような会にすべく会長として全力を尽くしますので、関係各位に広くお声がけいただければ幸いです。是非、多数の皆様にご参加いただきますことを、心よりお願い申し上げます。