第6回日本免疫治療学研究会学術集会の大会長を仰せつかり、大変光栄に存じております。
本研究会は、がんやその他の難治性疾患に対する治療法として、免疫細胞療法を中心とする免疫療法の健全な育成と普及を目的としています。今後、癌の治療成績をさらに向上させるためにはより一層、基礎と臨床との連携が重要になると思います。また、患者さん個々の病態に合わせたオーダーメイド型治療を促進させる必要があり免疫治療を組み込んだ併用療法も重要なファクターの1つと考えております。
本研究会が、ご参集頂く多くの先生方にとって明日への活力を生み出すささやかな舞台となることを願ってやみません。本学術集会のテーマは現状のがんに対する免疫治療を認識し今後の免疫細胞療法の果たす役割を改めて考えるという意味から「免疫細胞療法の新機軸を求めて」といたしました。
本学術集会のシンポジウムは昨今注目されている樹状細胞を取り上げ「樹状細胞療法の可能性」とし、ワークショップはがんに対する集学的治療の観点から「併用療法としての免疫細胞療法」といたしました。教育講演として小林英司先生に「光イメージングが開く新しいトランスレーショナル・ツール」、鳥越俊彦先生に「ペプチドがんワクチン開発のトランスレーショナルリサーチ〜ますます重要性を帯びる基礎医学研究基盤〜」、瀬尾尚宏先生に「癌の免疫治療に有用な免疫抑制除去のための標的分子探索」をご講演いただきます。それぞれの分野をリードする先生方から最新の知見を紹介していただけるものと期待されます。最後にメインの特別講演においては免疫応答を制御する内在性制御性T細胞を発見し、この細胞の特異的分子としてCD25、Foxp3を同定された坂口志文先生に「制御性T細胞の免疫応答制御」をご講演いただけることとなりました。
また、できるだけ多くの癌治療に関わる方々に参加していただくためにコメディカル、学生の参加枠を設けると共に、交通の便の良い都内での開催としました。大学、病院、研究所など癌治療に関わる各施設から奮ってご参加いただければと思います。特に次世代を担う若い先生方の積極的なご参加を期待しております。たった1日間の会ではありますが、十分な討論をしていただき、参加者の皆様にとって実り深い学術集会となることを祈念しております。
第6回日本免疫治療学研究会学術集会
会長 和田 洋巳