この度、2011年開催の第8回日本免疫治療学研究会学術集会の会長を拝命致しました。近年急速に発展している学術集会でありますので、重責を感じるとともに大変光栄なことと存じます。
学術集会のテーマは「免疫療法の最適化による治療効果向上を目指して」といたしました。近年、免疫療法は多種多様化し臨床データも数多く報告されてきておりますが、十分なエビデンスの構築や治療法の標準化には未だ至っていないのが現状であります。しかしながら、癌に対する免疫応答の作用機序はかなりの部分で明確化され、臨床応用も進められています。
本学術集会のシンポジウムは、標準療法に加えて様々な免疫療法をどのように選択していくのがよいかを考えるために『最適な免疫療法の探求』とし、国内の第1線で臨床医として活躍されている先生方を中心に活発なディスカッションをしていただきたいと思います。
ワークショップは『免疫療法の今後の可能性』とし、前回に引き続き新たな知見をご発表いただくことを期待しております。
教育講演としては、会員の皆様にとって興味深いであろう最新の話題を取り上げさせていただきました。森 正樹先生(大阪大学大学院)に「癌幹細胞」、清野先生(北海道大学遺伝子病制御研究所)に「移植免疫抑制」についてご講演いただきます。
特別講演には免疫療法の研究で著名なS.A. Rosenberg先生(National Cancer Institute)と共に研究をされていらっしゃるJames C. Yang先生(National Cancer Institute)をお招きしており、最先端の知見と概念を拝聴できることを楽しみにしております。
それぞれの患者さんにとって「最良の免疫治療とは」と言う疑問に対する、ヒントや答えが得られるような学術集会を行いたいと存じますので、多くの先生方に奮ってご参加いただきますことを心よりお待ちしております。
第8回日本免疫治療学研究会学術集会