基礎と臨床の融合~免疫治療のブレイクスルーを目指して

会長挨拶

森安 史典 日本免疫治療学研究会学術集会は、第10回という節目を迎えました。このような節目の年に、会長を仰せつかったことを大変光栄に思います。

がん研究およびがん治療は飛躍的に進歩しており、本学術集会が始まった10年前には考えられなかったような技術や治療が、現在では日常診療に取り入れられております。また、近年、優れた基礎研究を迅速に臨床応用することを目的としたトランスレーショナルリサーチが推進されております。そこで、本学術集会のテーマを「基礎と臨床の融合~免疫治療のブレイクスルーを目指して~」と銘打って、基礎から臨床まで幅広い先生方にご参集いただき、活発なご討議をお願いできればと考えております。

招請講演には、稲葉カヨ先生(京都大学)をお招きしまして、樹状細胞の研究に関してのオーバービューを、2011年にノーベル医学賞を受賞されたスタインマン先生のお人柄も交え、ご講演いただきます。

教育講演は、熊ノ郷淳先生(大阪大学)に免疫セマフォリンに関して、イメージングや最近の知見を交えてご講演いただきます。また、万代昌紀先生(京都大学)には、近年、注目されている免疫抑制受容体PD-1の臨床応用についてご講演いただきます。

シンポジウムは、免疫細胞治療を先進医療として実施されている施設の先生方にご登場いただき、それぞれの施設の現状と課題、そして今後の展望についてご発表いただきます。

ワークショップは、最近話題の「がんワクチン療法」と次世代のがん治療を見据えた「新しいがん治療開発に向けた基礎研究」の2本柱で、さまざまな視点からご発表いただきます。

本学術集会が皆様にとって実り多い学術集会になれば、望外の喜びでございます。幅広い領域から多くの方のご参加を期待いたします。


第10回日本免疫治療学研究会学術集会

会長 森安 史典